名誉ゲスト教師

Honourary Guest Teacher
故エロール・ピックフォード Late Mr. Errol Pickford
元英国ロイヤル・バレエ・プリンシパル
元英国エルムハースト・バレエ・スクール最上級クラス 主任教師


【バレエ・ダンサー歴】
英国ロイヤル・バレエ・スクール卒
英国ロイヤル・バレエ団、元プリンシパル
ウェスト・オーストラリア・バレエ団、元プリンシパル

【バレエ教師歴】
バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 附属エルムハースト最上級クラス 主任教師
および同校の国際交流コーディネーター、アウトリーチ・ディレクター
バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 ゲスト教師
イングリッシュ・ナショナル・バレエ団 ゲスト教師
ウェスト・オーストラリア・バレエ団 ゲスト教師
ランバート・バレエ団 ゲスト教師
アドベンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ ゲスト教師
ロンドン・スタジオ・センター教師
アーツ・エデュケーショナル・スクール(トリング)教師
バード・カレッジ教師
RADサマー・スクール教師
ヨークシャー・バレエ・セミナー教師
RADベデルズ・コンクール 審査レッスン教師
英国チェケッティ協会主催バーバラ・ゲーガン賞 審査レッスン教師
K バレエ 元バレエ・マスター
K バレエ・スクール本校 元校長

【受賞歴・その他】
著名な振付家フィレデリック・アシュトン、ケネス・マクミラン、デイビット・ビントレーなどと仕事を共にし、作品制作に貢献している。ケネス・マクミラン 振付けのロメオとジュリエット「マンドリン・ダンス」(マーゴ・フォンティンのガラ)は、ピックフォード氏の踊りのために特別に制作されたものである。また、同ガラで氏は、パリ・オペラ座の芸術監督を務めたことでも有名なルドルフ・ヌレエフとも共演している。
冷戦以降、初めて東側諸国のバレリーナとペアを組むダンサーに抜擢された事で脚光を浴び、公演当日の模様は歴史的瞬間としてテレビ生中継された(ロイヤル・オペラ・ハウスにて。相手はニーナ・アナニアシビリ)。
ポール・クラーク・メモリアル・スカラーシップ、フィリス・ベデルズ賞 受賞
RADソロシール(実技試験の最高レベル)取得
アデリン・ジェネ・コンクール 優勝
エリック・ブルーン・コンクール 優勝
RAD Professional Dancers' Teaching Diploma(教師資格)優秀賞にて取得

校長 鶴谷美穂より 故エロール・ピックフォード先生への追悼メッセージ

英国ロイヤル・バレエでプリンシパル・ダンサーとして活躍されていた頃のエロール先生は、英国ロイヤル・バレエ・スクールに在学していた私にとって、まさに雲の上の憧れの存在でした。
後年、学生時代の私には全く想像できなかったようなことが起きました。ご縁があって K バレエの舞台でご一緒させていただき貴重なアドバイスをいただくようになっただけでなく、週に何度かバレエ教授法のご指導を受ける機会に恵まれました。バレエ指導者資格を取得する大切さを教えてくださったのもエロール先生です。

指導内容の確かさもさることながら、先生の人間性に感銘を受けました。
オーストラリアがご出身のエロール先生は、高名な先生でありながら飾らず、ユーモアに溢れていらっしゃいました。
ある日のクラスでのことです。レッスン中に何度も同じ数列が繰り返し出て来て、私たちが真面目に考えながら聞いていると、先生が一人でニヤニヤしています。しばらくして、その数列は、前日のサッカーW杯で日本がオーストラリアに破れた試合の点数を意味していることがわかり、みんなで大笑いしました。今でも指導内容と共にたくさんの楽しい思い出が蘇ります。

私が K バレエを離れた後も、指導者資格の取得を目指す私を常に励ましてくださいました。エロール先生がいらっしゃらなければ、今の私はなかったといっても過言ではありません。

2015年には、先生が主催されていた「OPESのサマースクール」において、当校の生徒2名に奨学金を授与してくださいました。
そうしたたくさんの恩を直接返す機会がないまま先生はこの世を去ってしまいましたが、先生の遺したレガシーは私の中にも生き続け、やがて生徒たちに引き継がれていくものだと思います。常にご恩を忘れず、これからも精進してまいります。

2018年6月、51歳の若さで突然この世を去った エロール・ピックフォード先生を偲んで。
鶴谷美穂